ZAFIRA Info --2002年7月〜9月

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気になる存在

先月末,
プジョージャポンから307SW/ブレーク(本当は「Break」ですがカタカナで表記します)が発売されました。海外のショーで存在が公表されて以来ザフィーラオーナーの興味を惹き続けてきた存在です。私もその一人ということで,近くのディーラーに現車を確認しに行くことにしました。訪問の足はもちろん我がザフィーラです。横に並べて記念写真を撮るのを忘れたのが返す返す残念です。なお,いろいろ便宜をはかっていただいたディーラーの営業さんにこの場を借りて厚くお礼申し上げます。

左2枚がSW,左2枚がXSブレークです。SWは7人乗り,ブレークは5人乗りですがボディサイズは両車ともまったく同じです。SWは2,000cc単一グレードで本体価格276万円,ブレークはSWとほぼ同等のXSが264万円,1,600ccのスタイルが232万円です。ルーフレールとドアハンドルがシルバーに,バンパーとモールがボディ同色になるのがSWの主な特徴です。

最初に結論を申し上げておくと,SWとザフィーラは「乗車定員以外はまったく別の車」だと思いました。

寸法チェックから行きましょう。元になった307ハッチバックに比べて長さで210mm,高さ(ルーフレール含む)で55mm拡大されています。拡大率はそれぞれ4.9%,3.5%です。幅は変わりません。また,ホイールベースが110mm,4.2%延長されています。

一方,ザフィーラは元になったアストラハッチバックに比べて長さで5%,高さで18%,幅で1.7%拡大されています。アストラにはワゴンがありますが,こちらはハッチバックに比べ長さと高さがそれぞれ4.3%,6.7%拡大されています。ホイールベースはザフィーラのみ80mm,3%拡大されています。

307SW/ブレーク 307 ザフィーラ アストラワゴン アストラ
全長 4,420 4,210 4,315 4,290 4,110
全幅 1,760 1,760 1,740 1,710 1,710
全高 1,585 1,530 1,675 1,515 1,420
ホイールベース 2,720 2,610 2,695 2,615 2,615
全幅/全長 0.40 0.42 0.40 0.40 0.42
全高/全長 0.36 0.36 0.39 0.35 0.35
ホイールベース/全長 0.62 0.62 0.62 0.61 0.64

各車の寸法を比較してみると,特に全高に顕著ですが,SW/ブレークが「ワゴン」と「ミニバン」の中間的なところを狙ったサイズだということがわかります。明らかに「ワゴン」に見えるアストラワゴンと,明らかに「ミニバン」に見えるザフィーラの中間ですよね。

さらに面白いことは,307とSW/ブレークの全高/全長比,ホイールベース/全長比が同じだということです。アストラとザフィーラの数値を比べると後者の方が「高くて大柄な」ボディを持っています。両車は明らかに違う車に見えるわけです。ところが307シリーズの場合,両車のプロポーションがほとんど同じです。要するに,307ハッチバックがもともとミニバン「的」だったわけで,ボディを大きくして本当の「ミニバン」にしたSW/ブレークもちゃんと「307」に見えます。SW/ブレークがスタイリッシュに見えるとすれば,それは元の307のイメージをきちんと引き継いでいるからだと思います。「ミニバン臭さ」が感じられないというわけですね。

しかし,このことは「比較的短いボディに7人を快適に乗せる」という本来の機能に重要な制約を課してしまったと当サイトでは考えています。車内を見ながら検証してみましょう。

ドライビングポジションは307とほとんど同じです。ザフィーラよりも遙かに普通の車に近いです。セダンから乗り換えても違和感はないでしょう。ハンドルのチルト・テレスコ,シートリフターは完備,ペダルオフセットも大きくなく運転姿勢はピタリと決まります。写真の第2列はシートを最後方にスライドした状態です。乗車姿勢は普通のワゴンとかわりません。写真の状態では足元にかなりの余裕があります。

第3列に座ってみた写真です。少々だらしなくて恐縮ですが,足を開くか片方に寄せないと収まりませんでした。ちなみに作者の身長は173センチです。2列目を最前方にした場合がA,最後方にした場合がC,中間がBです。2列目はBでギリギリ,Aの場合は座れません。この場合,写っているようにテーブルとして使うのが前提のようです。

3列目使用時のラゲージスペース長さがC,最大にした場合がDです(2列目は外せますので実際はもう少し長くなります)。2・3列目のシートを全部外すとすっきりしたスペースが出現しますが,Eのところで少し段差ができてしまうのはやや残念です。

全席に座ってみてわかることは,1列目・2列目の乗車姿勢が普通のセダンとあまり変わらないということです。乗車姿勢が変わらないということは,乗員が占めるスペースもあまり変わらないということです。このことはSW/ブレークに「乗用車感覚」を与えると同時に,3列目乗員に大きなしわ寄せをも与えているというのが当サイトの見解です。

話を分かりやすくするためにザフィーラと比べてみます。ザフィーラの運転席はアストラシリーズとは全く異なってかなり高い位置にあります。座面が高い位置にあることで,足は真っ直ぐ下に降りることになります。さらにハンドルが上を向いているため,背もたれを起こさなければ握りにくいようになっています。つまり,人間を上に持ち上げることで前後方向のスペースが節約できるわけです。第2列も基本的には同じ考え方に基づいています。そして,高く座った乗員に不快感を与えないように全高を決めたと考えるとすべて辻褄があいます。つまり,ザフィーラの背の高さには必然性があるわけです。「短いボディに7人を乗せるにはどうするか」という課題に対する解答です。

もちろん,それと引き替えにポジションに対する違和感という代償を払うことにもなりました。ただ,考えてみると,我々が通常座る椅子は足が真っ直ぐ降ろせる程度に座面が高く,テーブルや机に向かえる程度に背もたれは起きています。通常の自動車の着座姿勢というのは考えてみれば不自然なわけですね。

付け加えておくと,両車を真横から見てみるとザフィーラの方が運転席は前に位置しています。正確な寸法は採っていませんが,室内長そのものが長いことが3列目の収まりに影響していることも確かでしょう。ただ,そういった数値には現れないところで知恵を絞らなければこの寸法に7人を乗せるのは難しいということではないでしょうか。

使い勝手をみてみます。SWの椅子は車内のどこかに収納することはできず,不必要な時には畳むか外すかしなければなりません。2列目と3列目,合計5席がそれぞれ独立して外れます。2列目を畳んでみたところが上の写真です。このままの状態でロックを外し,全体を上に持ち上げると外れます。外すとキャスター状のスタンド(F)が出てきてコロコロと転がしていくことができます。もっとも,椅子自体は転がさなければならないほど重くはありません。なお,2列目をこの状態にしなければ3列目に入ることは事実上不可能です。シートバックを倒す+椅子全体を起こすという2アクションが必要となるわけです。手間の数はザフィーラと同じですね。

安全性をみてみます。といっても,エアバックの数とかABSなどのデバイスはカタログを見ていただくとして,7人に平等な安全性を提供しようとしているかどうかが問題です。いちばんわかりやすいのは3列目ですね。ヘッドレストは上まで伸びますし,3点式ベルトもちゃんとついています。この点はさすがです。2列目中央も3点式ベルトである点は素晴らしい(この点ザフィーラの負け)。ただ,写真で見ておわかりのように,3列目乗員の頭部とバックドアの間にはほとんど余裕がありません。ザフィーラも同じ問題を抱えていますが,後ろから追突された場合はつらいでしょうね。

装備を簡単に見ておきます。Gがドライブコンピューター(平均燃費等を表示),HがMD/CDプレーヤーです。なお,標準ではラジオ+カセットです。Iはオートエアコンです。ザフィーラユーザーが熱望していると言われる(?)シフトインジケーターも付いています。これだけで買う人はいるのかも。右の写真はSWの売りの一つであるパノラミックガラスルーフです。開放感はさすがです。電動の日よけがついていて,センターコンソールのスイッチで前後に動きます。

内装のデザインはザフィーラよりあか抜けているように思いますが,部品の剛性感はやや劣るような気がしました。ハンドルやプラスチック部品を力を込めて揺すぶってみると明らかにザフィーラよりもグラグラします。ドアも力を入れて閉めると「ベチャッ」と言う感触が出てきます。ザフィーラの内装の造りもイマイチだとは思いますが,307も誉められたものではないように思います。

この写真が気になるザフィーラオーナーは多いでしょう。ワイパーは基本的にザフィーラと同じ問題点を抱えています。運転席側は赤いラインまでしかふき取ってくれません。拭き残し幅はザフィーラとほぼ同じです。ちなみに,307のワイパーは写真のような位置で停止させることができます。おかげで写真を撮るのは楽でした。

試乗もさせていただきました。取り回しの感覚はザフィーラとまったく変わりません。ボンネットが見えないのも同じです。新しい車に乗っている気がしないほどでした。全体的には「スイスイ」走るという感じです。操作の一つ一つにどことなく重みがあるザフィーラとは対照的です。かといって,一部国産車のように「急発進」するような過敏さはありません。感触は違いますが「思い通り」に走ってくれるのはザフィーラも307も同じです。タイヤは205-55R16でしたが,街乗りの乗り心地はザフィーラほどバタバタしません(空気圧が指定通りかは確認していません。また,1.6版はザフィーラと同じ195-65R15になります)。一度高速を走ってみたいですね。

足回りよりも明確に違いを感じるのはATでしょう。たとえば4速で走行中,アクセルを離すと車速が落ちるに従って4→3→2とダウンシフトしていきます(停止位置までの距離にもよりますが)。その結果,エンジンブレーキが強くかかるので最初は思ったよりも手前で車が止まってしまいます。一方,ザフィーラの場合アクセルを離してもATは4速を保ったままです。その結果,アクセルを離していても車のスピードはなかなか落ちていきません。思い通りの位置に車を止めるにはブレーキのコントロールが重要になります。

こうなるのはどちらにもそれなりの理由があります。ATというのは基本的にアクセルペダル開度と車速で変速タイミングが決まります。普通,アクセルペダルの開度が大きいほど変速する車速があがります。アクセル開度半分の時の1→2変速が20km/hだとすると,全開のときは30km/hといった具合です。アクセルを開けるときは早く走りたいときですから,各ギアをできるだけ引っ張ってスピードを上げることになるわけです。逆に,加速中にアクセルを戻せば変速点が下がりますから,結果としてポンとアップシフトします。

ザフィーラも307もこの点は同じですが,異なるのはアクセルオフ時の変速点の変化です。ザフィーラではアクセルをオフにすると変速点がかなり低速に移行します。つまり,停止直前まで高いギアを保てるわけです。一方,307のようなATではアクセルオフでも変速点がそれほど低くなりません。正確ではありませんが具体例で説明すると,4→3の変速点が両車ともアクセル半開のときには40km/hだとすると,アクセルオフではザフィーラが10km/h,307は40km/hのままであるというようなものです。で,どうなるかというと,4速60km/hで走行中,ザフィーラはアクセルを離すと10km/hまでそのまま4速で進みますが,307は40km/hになると自動的に3速に落ちることになります。その結果強いエンジンブレーキが掛かり,さらに3→2の変速点になるともっと強いエンジンブレーキが掛かる……ということになります。

307型のATのメリットは「アクセルを離すとどんどんスピードが落ちる」というある意味で自然な感覚を実現できることです。下り坂だともっと確実に体感できるので,降坂時には変速(ダウンシフト)点をもっと高くしているのかもしれません。ともかくこれはMTの運転感覚に似ています。逆に,アクセル開度に車速が敏感に反応するので,一定のスピードを維持するにはそれなりのアクセル操作が要求されます。

一方,ザフィーラ型のATのメリットは発進停止の多い走行での燃費向上にあります。できるだけ高いギアで「流す」ようにして走れるため燃費がよくなるという理屈です。しかし,「空走感」が大きくなるので,アクセル開度で車速をコントロールするのはやや難しくなります。

結局どちらも一長一短あるのですが,ATの大勢はザフィーラ型にあるようです。運転姿勢の違和感を訴える人は多いですが,ATに対する違和感がほとんど聞かれないのもここに起因していると思います。作者の好みはどちらかといえば307型です。車を操っているという実感が持てるのが嬉しいところです。

最後に結論を出すまえに,ブレークの方を紹介しておかなくてはなりません。ブレークは普通の5人乗りワゴンだと思えばよいでしょう。2列目は座面を引き起こして背もたれを倒すことができます(いわゆる「ダブル・フォールディング式」)。使い勝手も普通のワゴンと同じと考えてよいでしょう。ということで,当サイトの判定は以下のようになりました。

307SW  △ 「7人を快適に運ぶ機械」としての正しさが不足

307ブレーク ◎ SWの欠点が消えて307の美点が残る 気持ちよく走れて荷物も積める 価格もお得(特に1.6版)

追記(2/19)
今回紹介した車の色「パプリカ」は需要が少なかったようで,早々にカタログ落ちしたとのことです。期せずして「絶版色車の貴重な記録」となってしまいました。

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1年点検レポート

ザフィーラが帰ってきました。主な点検箇所を整理しておきます。全般的には非常に順調ということでした。点検内容を根堀り葉堀り聞いてきた記録です(担当サービスさんお世話になりました)。

左:点検中のザフィーラ,右:1年点検記録簿
タイヤ関連(1,6,9)
前後を入れ替えるよう依頼しました(1)。5,000キロ時に一度自分で入れ替えていますので,再び納車時の位置に戻ったことになります。残り溝は前後とも6mmでした(9)。新品時は約8ミリでしたので,だいたい7分山ちょっとということになります。5分山で交換するとすれば使用状況に大きな変化がない限りあと1.5万キロ程度は持ちそうです。空気圧は空車時指定の前後220mpaに調整されました。後輪を少し下げて乗っていたので,これも以前の状態に戻ったことになります(6)。


電気装置関連(2)
プラグを外して清掃したそうです。また,点検簿に記載されていませんが,バッテリー端子に「ターミナルプロテクタ」(白矢印の部品)が装着されていました。端子のまわりに嵌める赤紫色のフェルト状の部品です。「つけるとバッテリー寿命が延びる」のだそうです。この手の「装着するだけで〜アップ!」という商品は信用していないのですが,安かった(700円)のと自己責任を問われずに実験できるという理由で装着をOKしました。いまのところ目に見える「御利益」はありません。

エンジン関連(3,5)
エアクリーナーは清掃のみで,交換の必要はなかったそうです。また,オイルのみの交換を依頼しました。前回交換時(5/11)からは約7,500キロ走行しています。

ワイパー交換(4)

運転席側の拭き残しを少なくした対策品へ交換しました。交換したのは内部のリンケージ(左側写真)で,アームやブレードは以前のままです。約2ヶ月前に注文していたもので,ようやく部品が届き交換実現となりました。拭き残しは目測で半分程度となり非常に快適です(右側写真)。

ブレーキ関連(10)
パッドの残りは左右とも前輪12mm,後輪8mmでした。新品時の厚みはそれぞれ13.6mm,10.5mmで,許容残厚が前後とも7mmです(「テクニカルデータ」による)。計算してみると前輪はあと約46,000キロ,後輪は約6,000キロ程度使えることになります。リアの寿命は約21,000キロということになりますが,ちょっと早いような気もします。もっとも,新品時の厚みを正確に測ったわけではないのでなんともいえません。サービスマンの話では特に異常ではないそうです。あと,記録簿に記載はありませんが,パッドの角を削って「鳴き」を出にくくしたそうです。停まる直前の「ヒィーッ」という音はなくなりました。もっとも私自身はあまり「鳴き」は気にしておらず,作業を依頼していたわけではありません。サービスということですね。

その他不具合の調整(7,8)

エアコン(コンプレッサー)作動時に顕著だったエンジンからの「カラカラ(カタカタ・カンカン)」音を解消するために,「オルタネータワンウェイプーリー」(A)と「リブドベルトテンショナー」(B,ベルトの下に隠れている)を交換しました(7)。この音に関してはZ-ONEでも報告があり,放っておくとファンベルト切れの原因になることも指摘されています。交換したのは対策品で,同様の症状が気になる方は販売店に相談されるとよいと思います。

(“ざぴーら”さん提供)
納車時から傾いていたリアのハイマウントストップランプを見てもらいました(8)。写真ではわかりにくいのですが,左の方が上に持ち上がったようになっていました。取り付け部分の部品が破損していたとのことでアッセンブリー交換となりました。あと,助手席下と右側サードシート上部のプラスチック部品が破損していたので両方とも交換となりました。


さて,気になるお値段の方ですが,1年点検基本料金+オイル交換工賃=24,600円,オイル代+ドレンプラグシール代+「ターミナルプロテクター」代=6,860円,雑費(工場備品のグリス代などだそうです)740円,消費税の合計33,831円でした。点検そのものの値段は妥当だと思いますが(安くはないけど),走行距離を考えると回数が多くなりそうなのがやや憂鬱です。2年点検の基本料金は確か45,000円位だそうです。

*点検基本料金および各種工賃はお住まいの地域あるいは販売店によって異なることがありますのでご注意下さい。料金に関するお問い合わせにはお答えできませんのでご了承下さい。

左:点検後オーナーを待つザフィーラ,右:近くにあった新型メルセデス・ベンツEクラス

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“VECTRA info”

ザフィーラが約1週間入院することになりました。といっても走行に関わる致命的なトラブルがあったというわけではなく,こまごまとした不具合を夏休みの間にまとめて治しておこうという主旨です。また,走行が15,000キロに達しましたので1年点検もあわせてお願いしておきました。

休みといっても1週間車なしでは困ります。で,用意してもらった代車はクリプトングリーンのベクトラ(1996年式)でした。走行距離は9万キロとちょっと。私の車ほどではありませんが,さすがに距離は伸びているようです。ちょうどよい機会なので距離と年数を経たオペル車の「くたびれ」具合をチェックしてみることにしました。

細かい擦り傷や当て傷は多いですが,外観の全体的なイメージは悪くありません。塗装の状態も特に問題は感じられませんでした。バンパーのプラスチック部分やモールも黒さを保っています(特に交換された形跡も無いよう)。これは意外(といっては失礼か)でした。

内装も綺麗とはいえませんが,年数と距離を考えればこんなものでしょうか。ハンドルやATセレクターノブはテカテカになっています。ハンドルを切ると特定の位置で擦れるような音が出ていました。エアコンの効きは若干弱さを感じましたが,とりあえず正常に動いているようです。トラヴィックと同じ「マルチインフォディスプレイ」が装備されていますが,ドットが欠けて表示が見にくくなっていました。不具合らしい不具合といえばそんなものでしょうか。

エンジンルームは汚れていますが,掃除していなければこんなものでしょう。オイルや水が飛び散った形跡は無いようでした。エアクリーナーに外気を導入するパイプの表面がひび割れていましたが(1),それ以外のパイプやホースは正常でした。タイミングベルトは8万qとちょっとで交換されていました(2)。タイヤは製造後3年程度経っているようです。整備記録によればステアリングギアボックスも交換された形跡があります。代車になる前のオーナーカー時代を含めて,点検は1年ごとに几帳面に行われていました。

走ってみると「左流れ」感を強く感じます。また,ドアを閉めたときなどにカタカタ音が出ていました。まとめると,大きな(走行に重大な支障があると言う意味で)不具合は無いが「くたびれ感」はそれなりにするということになります。自分の車の数年後をイメージしてしまいました。

ついでに新型ベクトラもチェックしてきました。代車を受け取った直後だったので,意図せず新旧比較ができることになったのは幸いでした。

まったく別の車のようですが,それでも何となくベクトラに見えるのは,ヘッドライトやグリル,テールランプといった目に入りやすい要素の大まかな形が同じだからかなと思います。

ウッドパネルが全周に貼られたりして,室内も「高級感」を演出しようとしているようです。最近のドイツ車に共通する流れでしょうか。機能的にはそれほど旧型と違いはありません。ATが5速になったのが分かりやすい違いと言えば言えるでしょうか。マルチインフォディスプレイの位置は中央に移り,表示ドットも細かくなっています。ただ,表示内容に違いはありません。本国仕様だとここにナビ画面が表示できますが,ナビの仕様の違いから日本仕様では不可能のようです。エンジンはトラヴィックと同じZ22型です。表示最高出力もトルクも同じです。ただ,ハイオク仕様となりカバーが簡略化されています。さらに低排出ガス車認定(1つ星)を受けています。旧型に比べると配線やパイプの取り回しがずいぶんスッキリしたような感じを受けます。

新車と中古車を比べるのはフェアではないのですが,やはり新型は相当の出来だと思いました。いまのところセダンのみですのでさほど興味は湧かないのですが,ワゴンが出るとかなり惹かれそうな気はします。

追記(8/27)
代車の「左流れ」はタイヤの内圧調整でだいぶ解消しました。左側タイヤ(特に後ろ)の内圧が相当に低かったようです。また,エアコンは動作不良のようで,とりあえず冷媒を充填して様子を見ることにしました。

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給油口の構造

最近3ヶ月ほど通っていたガソリンスタンドで派手にガソリンをこぼされてしまいました。ガソリンの量は程々にしてくれと常に思っているのですが,給油の回数が多いといちいち言うのも面倒になります。しばらくトラブルは起きていなかったので大丈夫だろうと安心していた矢先の出来事でした。

ところで,給油口のまわりにこぼれたガソリンはどこへ行くのでしょうか。写真はガソリンタンクのキャップをあけたところのアップです。タンク開口部のまわりにはゴム製のフラップが装着されています。フラップ下側はちょうど受け口のような形状をしており,こぼれた液体は少々なら外に流れ出ないようになっています。さらにフラップには穴(赤丸で囲んだ部分)が開いており,ここから貯まった液体を排出しているようです。

では,この穴はどこにつながっているのでしょうか。フラップははめ込み式なので引っ張ると外すことができます。タンクにつながるパイプと接する部分には薄くグリスが塗られているようです。はめ直すときにはグリスも塗り直す必要があるのかもしれませんが,ヘインズマニュアルには特に記述がないようです(4A・11・7および18参照)。

右写真はフラップを外したところのアップです。ボディ側に穴が開いており(青丸で囲んだ部分),フラップの穴はここに通じているのかと思いますが,よく見てみるとフラップの穴は赤丸の位置であり,ボディ側の穴とは合いません。青丸の穴はフラップからあふれ,その下にしみこんだ液体の排出口のようです。

フラップの穴の位置に通ずるものはなにもありませんでした。フラップにこぼれた液体はボディ内側を通って単純に外に排出されているだけのようです。何らかの形でタンクに戻るなどということはないようです。

実は,ガソリンをこぼされた直後,給油口に豪快に水をぶっかけられた時にこのネタを思いつきました。給油口にあふれたガソリンが何らかの形でタンクに戻るような設計になっていたら困るのですが(タンクに水が入るので),どうやら思い過ごしだったようです。考えてみれば,こんなところに(直接でないにせよ)タンクに通じる穴をあけるのは火災を誘発することになりますし。もっとも,次回からは別の店で給油しますけど。

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燃費データについて

自動車ユーザーサイトの「お約束」といえば燃費データとトラブル報告ですが,本サイトではこれまであえてこの話題を避けてきました。どちらも個別性の強いデリケートな問題であり,掲載したデータが一人歩きすることを懸念しているためです。

しかし,両者とも車(特に外車)を所有するユーザーにとっては最も関心の高い話題の一つであることも確かです。今回はそのうちの燃費データについて,納車後半年間の結果がまとまりましたので一つの参考事例として報告したいと思います。

よく知られていることですが,気温や湿度,運転パターン,平均速度,積載量,走行ルートなどの条件によって燃費は大きく変化します。また,いわゆる「満タン法」計測ではかなりの誤差が生じることは避けられないと思われます(給油量はほぼ正確でも,それが正しく「満タン」かどうかはわからない)。したがって,あまり細かい数字を議論することには意味がないように思われるので,大体の傾向をグラフで示すことにします。なお,積載条件はほとんどの場合1人+手荷物程度です。「ミニバン」らしく人と荷物をたくさん載せれば当然燃費は悪くなるものと思われます。


給油ごとの平均燃費と累積走行距離を示したグラフです。総走行距離を総給油量で割った平均燃費は約10(km/l,以下同じ)となりました(太線で示しています)。また,カタログ記載の10・15モード燃費(11.8)を赤線で示しました。

平均的にみると2月の値が悪いのですが,渋滞の多い都市内走行ばかりであったことが影響していると思われます。逆にいえば,そういう走り方をした場合のザフィーラの燃費はこの程度であるということです。3月の燃費が伸びたのは高速長距離走行が多かったためです。累積距離グラフの傾きが急になっていることからも読みとれます。このとき記録した15.3がこれまでの最高でした。

このグラフをみますと,1,000キロ程度のいわゆる「慣らし運転」が終わった直後に燃費が向上するように見えるかもしれません。が,それよりも走行条件の違いが与える影響の方がずっと大きいように思います。いったん全部ばらして削ったり磨いたり部品を交換したりして組み上げた車ならともかく,大衆車として販売されている車に丁寧な「慣らし」が必要なのだろうかと思います。

ただ,新しく買ったばかりだから,自分自身が車に慣れるまではゆっくり慎重に運転する方がいい,という意味の「慣らし」であれば別でしょう。車の「慣らし」に神経質になる必要はないが,人間の「慣らし」にはどんなに技術革新が進んでも一定の意味があると思っています。

さて話をもどして,4月以降はばらつきが小さくなりおおむね10程度で安定します。これは,片道約45キロ(一般道:高速=2:1)を1時間ちょっとかけて走る通勤が走行のほとんどの割合を占めるようになったためだと思われます。5月はじめに良好な値を示しているのはGWの長距離走行の影響でしょう。また,7月から8月にかけて傾向的に低下しているのは明らかにエアコンの影響です。

オマケとして一回ごとの給油量と燃料単価のグラフを載せました。燃料系の針が半分を切ったときをめどに給油しているので,一回の給油量は30リットル前後がほとんどです。なお,カタログ記載のタンク容量は58リットルです。50リットル以上給油したのが一度だけありますが,このときは43リットルと10リットルに分割して給油しました。このときは高速走行中で,区間燃費をまとめて計測したかったのでこのように計上しています。燃料単価についてデータがない部分は記録忘れと試しにハイオクガソリンを入れた分(2回分)を除外したことによるものです。

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スバルディーラーに感謝

一つ下のコラムにある島田市の集合写真ですが,実は静岡スバル島田営業所にて撮影させて頂いたものです。写真に写っているマグマレッドのSパッケージは同営業所の試乗車です。バローロレッドのLパッケージにお乗りの“やったやった”さんの紹介で訪問させていただきました。

訪問直後
試乗車近影
チェックに余念がないお父さん達(もちろん私もチェック)
みんなで記念撮影(向かって左が“やったやった”さん親子,右が“ざぴーら”さん親子,真ん中が本サイト作者)

かつての商売敵(?)で訪問したにもかかわらず大変親切に応対していただきました。また,今回の来訪をセッティングしていただいた“やったやった”さんにも改めてお礼申し上げます。

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ザフィーラとトラヴィック

静岡県にお住まい&帰省中のユーザーさんにお招きいただき,ザフィーラとトラヴィックをじっくり比べる機会が持てました。

吉田町にて
島田市にて
藤枝市にて

両車の比較についてはすでにいくつかのサイトで網羅的な情報が提供されています(たとえばこちら(“Yam”さんのページ))。まずはそちらをご覧いただくとして,ここでは両車のエンジンの違いを紹介しましょう。

左:ザフィーラ,右:トラヴィック

細かいスペックについてはこれまでも紹介されています(たとえばこちら(“macky”さん作成のFAQ))。今回注目したいのはスペックには現れない部分です。写真に記入してある矢印を見てください。エンジンを通る空気の流れを示したものです。ザフィーラのエンジン(1.8リットル)では空気は後ろから入って前へ抜けます。一方,トラヴィックのエンジン(2.2リットル)では前から入り後ろから抜けます。両車で全く反対になっているのです。エンジンの回転方向はどちらも同じなので吸排気系のレイアウトが抜本的に変更されたことになります。

もっとも,正しくいえばこれはエンジンの違いであって両車の違いではないですね。ドイツ本国ではザフィーラにも2.2リットルバージョンが存在しますが,その場合は上のトラヴィックと同じレイアウトになっているはずです。2.2リットルの方が確か後から登場したと思います。

吸気系を後ろに持ってくると,引火しやすい燃料を衝突部位から避けられるというメリットがあります。一方,排気系を後ろに持ってくると触媒コンバーターのレイアウトがしやすいというメリットがあります。最近のトレンドは前方吸気・後方排気のようです。後方に排気管を持ってくることで,排気ガスの温度があまり下がらない近い位置に触媒をレイアウトすることができ,触媒の作動効率を上げやすくなるそうです。排出ガス浄化が至上命令となっている現在ではこちらの方に分があると考えられているわけです。パッと見ではよくわからないところで密かに進化しているんですね。

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製造時期を調べる

自分の車がいつごろ造られたかっていうのは気になりますね。特に輸入車であればなおさらだと思います。当サイトをウオッチングしていただいている方からのリクエストがありましたので,ザフィーラの製造時期が特定できないか調べてみることにします。

運転席ドアを開けたところにあるプレートです。トラヴィックではここに製造年月が記載されているそうですが,ザフィーラの場合は車名と車体番号以外は何が書いてあるのかわかりません

追記(8/15)
トラヴィックのプレートの写真が撮れましたので載せておきます。(左側,ピンぼけですみません)

追記その2(11/3)
ザフィーラおよびトラヴィックの製造番号の読み方は“syamada”さんが調査されています。こちらからご覧になれます。

考えられる方法としては,部品の製造日からの推定があります。ほとんどのプラスチック部品に写真のような製造年月の刻印があります。これはヒューズボックスのフタですが,おそらく2001年3月に製造されたものと思われます。あちこち確認してみますと,部品はだいたい同年2〜3月に製造されているようです。

ひとつ理解に苦しむのがドアのヒンジ部分にある刻印です。ここだけ「08/01」となっていて8月製造かと思わせるのですが,他の部分とのバランスを考えると8月ではなく第8週,つまり2月製造と読むと辻褄が合います。13以上の数字が刻印されている例があればこれで正しいと思いますが,現時点ではあくまで推測です。

タイヤについてはいわゆるDOTナンバー(アメリカ運輸省の規格)が刻印されていますので製造時期を正しく知ることができます。写真の場合は1101で,これは01年第11週製造であることを示しています。車体部品の製造時期とほぼ一致することになりますね。いろいろ合わせて考えますと,私の車は01年3月頃工場をラインオフしたと推定するのが適当ではないかと思っています。

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「経年変化」!?(その2)

先週ショックを受けたタイヤの件ですが,他の車はどうだろうと思い,ドイツ車を中心に職場の駐車場からいくつかのサンプルを探してみました。

停まっていたドイツ車は4台で,そのうち2台のタイヤに同様のひび割れが見られました。左がゴルフGTI(年式不明,現行モデル)についていたミシュランのパイロットHXで,右がBMW318i(年式不明,E36)についていたピレリP6000です。もう2台のサンプル車はベンツC240(年式不明,W203)とBMW528i(年式不明,E39)です。どちらもコンチネンタルのスーパーコンタクトが装着されていました。

ゴルフの方はあまり古くないようで,ボディはよく手入れされていましたがタイヤはうっすらとヒビが入っていました。318iの方は全体に古く,タイヤもご覧の状況です。矢印を入れる必要がありませんね。オーナーカーでもタイヤのことを気にしない人というのは意外と多いものだと思いました。

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オイルの消費

ザフィーラの取扱説明書には「平均オイル消費量」についての記載があります。それによると,平均して100キロにつき60cc消費するとあります。一見たいしたことがなさそうですが,1,000キロ走ると600cc,10,000キロ走ると6,000cc減ることになります。オイル交換の指定周期は15,000キロで,その時には実に9リットルものオイルを消費することになります。指定オイル容量は4リットルですが,15,000キロ走れば2回オイルは入れ替わる計算になります。どうにも計算があいません。くどいようですがこのオイル消費量は平均であって「最大」ではありません

前回のオイル交換から約5,000キロ走行しましたので,私の車が平均的であるとすればオイルは1リットルしか残っていないはずです。が,オイルをチェックしたところ写真のように交換直後同様レベルは上限を示しています。みたところ1ccも減っていません。

いちおう申し上げておくと,オイルレベルはマメにチェックしているので,説明書通りにオイルが減らないというのはいまはじめて分かったことではありません。説明書が正しいとすれば,私の車は平均的ではない状態にあるということにあります。となると,「平均的」な状態というのはどういうことを指しているのか不思議です。

実は,友人のゴルフ(年式は忘れたが新車で買った現行型)がオイルを喰って困っているという話でこのネタを思いつきました。1,000キロで1リットルの消費と書いてあり,実際にその通りに減って困っているという話でした。友人は別にドイツに住んでいるわけでも,毎日200km/hで走っているわけでもありません。ディーラーは「説明書通りの現象」という対応をとっているそうです。世の中にはいろいろな車があるものですが,私の車が平均的でなくてなによりでした。

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「経年変化」!?

久しぶりに(しばらく忘れていた)空気圧のチェックをしました。タイヤの外観をチェックしておこうと思いじっと目を近づけてみると...

なんと,ブロックの根元部分にヒビが入っていました。何かの間違いだと思って4輪全部を調べてみましたが,全部のタイヤに同じように入っていました(写真は右後輪,黄矢印が回転方向)。2,3年使って交換寸前といったタイヤでこうなっているのは見たことがありますが,まさか納車半年(タイヤ製造からは1年3ヶ月)でこうなるとは思っていませんでした。走行12,000キロですが,写真でもわかるように溝自体はまだ十分残っています。偏摩耗などもまったく見られません。何らかの理由で表面のゴムが劣化したものではないかと思われます。

気分のいいものではありませんし,タイヤだけに場合によっては重大な結果に結びつく恐れもあるのでディーラーと対応策を協議したいと思っています。もっとも,レンタカーバイト時代にこういうタイヤのついていた車を平気で貸していた記憶もあるので,そう簡単には大変なことにはならないとも思いますが...

ちなみに,車自体は平気で走っています。酷いタイヤにも関わらず,それをものともしないサスペンションには恐れ入ります(もともと大衆車なんだから,あんまりタイヤに敏感になってもらっても困る)。

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