ZAFIRA Info ---特別企画---

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メリーバ登場

このたび,ザフィーラの弟分ともいえるメリーバ(MERIVA)が日本でも発売されることになりました。

上の写真は作者が通勤中にたまたま通りかかったプレス試乗会の様子です。この直後にヤナセ東京支店芝浦ショールームで開かれた特別内覧会に出かけてきましたので,作者の目でみたメリーバの特徴を報告しておきたいと思います。

なお同日,ヤナセ大阪支店でも内覧会が開かれており,すでにsyamadaさんがレポートしてくださっています。本サイトにはない有益な情報が提供されていますので,どうかあわせてご覧いただければ幸いです。

左が展示会場です。ヤナセ本社でもありますのでさすがに立派な構えです。オペルショールームに入ると4台のメリーバが展示されていました(右)。

早速車に近づいてあちこち開けたり閉めたりしてみます。ボンネットを開けて気がついたのは,ラジエターの位置が通常より下,バンパー裏にあることです(左)。ですから,前からグリルを覗くと直にエンジンが見えることになります。ドアのヒンジはザフィーラ同様ドア側もボディ側も溶接されていました(右)。

運転席に座ってみました。助手席側Aピラーの死角はザフィーラよりも気になるかもしれません(左)。なお,ピラー上端にはエアバッグが内蔵されています。ライトスイッチの操作性はほとんどザフィーラと変わりませんが,若干デザインが変更されました。オーディオに良く使われるような,調節するときだけ飛び出すタイプのスイッチです(右)。

後席の操作性を調べてみます。センター部分を残して後席はリクライニングおよびスライドが可能です(左)。ただし,リクライニングは前後2段階で,移動量もそれほど多くはありません(中)。センター部分のバックレストのみ倒すことが可能で,その場合,「トラベルアシスタント」と呼ばれるアームレスト兼収納ボックスを装着することができます(右)。ただし,外した時に車内に置いておくところはありません。

もちろん,後席を倒して荷室を拡大することも可能です。センター部分を倒した状態でまず,左右それぞれのシートバックを倒します。その後,シートバック裏のレバーを引き上げながらシート全体を下に押すとフラットになります(左)。やや力は必要ですが,固定はさすがにガッチリしています。なお,シートを倒した時にはシートベルトも外す必要があります(中)。後席を倒すとかなりのスペースが出現します(右)。

シートベルトの装着性を落とさない工夫も随所にみられます。後席シートベルトバックルはゴムで常にシート側に引っ張られており,シートを動かしても下に落ちることはありません。ゴムをうまく使ってあまりコストがかからないようにしている(と思われる)ところがポイントだと思います。シートベルト自体はDピラーに内蔵されていますが,シートバックの輪を通すことでリクライニングやスライド位置に関係なく正しい位置に装着できるようになっています(もっとも,シートベルトが正しく装着できる範囲内にシートの移動量が制限されていると言ったほうが正しいのかもしれません)。後席中央も3点式ベルトです。あと,もう少しヘッドレストを上げることができれば申し分ないでしょう。

ちょっと試乗もしてみました。運転感覚についてはsyamadaさんのレポートをご覧いただくとして,ここではワイパーの問題を指摘しておきたいと思います。

メリーバのワイパーもザフィーラと同じく対向式で,右側が下にくる左ハンドル仕様そのままになっています(左)。ザフィーラの場合は拭き残しが問題になり対策リンケージも登場しましたが,残念ながらその教訓は生かされずメリーバでも運転席側は大きな拭き残しができてしまいます(右)。

ワイパー他いくつかの看過できない問題はありますが,メリーバの出来自体は悪くないと思います。シートベルトの装着性に関する配慮などはさすがと思わせるところがあります。硬質な運転感覚もドイツ車らしくていいでしょう。

しかし,問題は218万円という価格です。5人乗れてそこそこの広さがほしいということになれば,国産車にはホンダのフィットのような強力なライバルが存在します。あちらなら価格は約半分です。一方,218万円という価格で比較すれば,オデッセイやイプサムといった強力なライバルの存在が視野に入ってきます。そして,国産車じゃダメだという人には190万円からトラヴィックが用意されています。さらに,あと数万円出せばメルセデスベンツ(Aクラス)も買えることに気がつく人も多いでしょう。「どうしてもメリーバでなければならない」理由をどれだけの人が見出すことができるのでしょうか。ちょっと見て乗っただけなのですが,作者には少々不安が残りました。

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